献血に初めて行った

献血に行くまで

行きたい行きたいと思いながら行ったことがなかった。

中学生位からずっと貧血で、社会人になってようやく十分な食料を自分で考えて確保できるようになり、そして鉄分サプリの恩恵ももらい、ようやくヘモグロビン濃度も安定してきた。それでもやっぱり自分の血を作ることに精一杯なのに誰かのために血を抜くなんて…と思っていた。

しかし先日の台風被害での献血の血液不足や、輸血をしたらそれ以降は二度と献血ができないことを知って、献血はまさに今、健康な内にしか行けないのだ…と思って日曜の午前中に行くことに決めた。

実は前々から興味はあった。私は元なんちゃってメンヘラで、メンヘラで献血によく行く人のブログを見ていた。その人は自分の腕を切りながらも、献血に通い自分の血が抜かれる様をうっとりと眺め、献血後にお菓子や飲み物を嬉々としてもらっていた。世の中に絶望している彼女が、献血で本意はわからないが他者のための行動をとっている姿になんだかよくわからない気持ちを抱いた。ちなみに彼女は十数年前位にほぼ自殺同然の死因で亡くなっている。だから、献血をすることでどんな気持ちになるのか、ずっと気になっていた。でも当時はど田舎に住んでおり、バスで2時間以上移動しないと献血ルームは無く、献血に行くなんて選択肢は私の中に存在しなかった。

献血当日

近くの駐車場に車を停めて、ビルの5Fへエレベーターで向かう。ここの献血ルームは最近リノベーションして綺麗になったのは知っていた。

確かに、あたたかみを感じる木材が各所に使われ、ゆとりもあり、綺麗で落ち着く空間であることは一歩中に入った瞬間わかった。入り口には乃木坂ちゃんのサイン入り等身大パネル!え~乃木坂ちゃん献血ルームの数だけサインしたん?お疲れ様や~ん!

受付~問診

とりあえず受付で初めての旨を伝える。駐車券もこのとき渡した。初めてということで全血の200mlか400mlを聞かれ、体重制限のため200mlと伝えて、基本情報をちゃちゃっと記入し提出。飲み物飲んで待っててくださいね~と言われたので、無料のカップ自販機でカフェオレをもらってアルフォート(最高か?)ももらって着席。

献血ルーム内は、色んな所に雑誌や漫画があり、また、大きな液晶TV、キッズルームもあった。しかしわざわざ子供連れで献血ルーム来る人いるんやろか。とはいえどんな人が献血に来るのか全くイメージできなかったけど、おじさんが多かったかな?20代女性は見当たらず。20代男性はいた。初めてっぽい人や、親子で来ているっぽい人も。

その後すぐに呼ばれて今度はipadで問診票をチェック。初めての人用のネームタグ(具合が悪くなったらしゃがめと書かれていた)を付けて、血圧計で血圧を測り(めんどくさくて服めくらずに測ったら低かったのでヤバ…と思い服をめくってからもっかい測った)、血圧が書かれた紙を提出しつつお医者さんの簡単な問診を受けた。なんか額に軽く近づけるだけのハイテクな体温計で体温を測られた。旧人類で申し訳ないけどどういう技術????って思って「おお~?(笑)」って言ってしまったよね。

仮採血からの本番採血

その後、中待合室的なところで一瞬待ったあとに、血液成分を確認するための採血。看護師さんに「腕…冷たいですね…」と言われてとにかくカイロを持たされ、腕にもカイロを巻かれた。「じゃ~右腕から後で血を抜くので、今は左腕からもらいますね」と言われ、右腕の血管あたりにカイロを巻かれたまま、めちゃめちゃ擦られながら左腕から採血。何か簡易キット的なもので「申告通りB型ですね~」と言われ「えっそれでわかるんです!?」「凝固の仕方でわかるんですよ~まあ簡易ですけど」と言われる。血を垂らすところが2箇所あったのでどっちが凝固した・しないの組み合わせでわかるんでしょうね。へえ~便利。

私はいかんせん貧血気味なので、ヘモグロビン濃度が引っかからないように…と祈りながら、採血後の血液が突っ込まれた機械を睨む。すぐに機械の脇から紙がぴっと出てきて、それを見た看護師さんが「はい十分な濃さですね!じゃあこれから200献血よろしくおねがいします!」とのことでひとまずホッと一息。

「ではこちらのベッドへどうぞ~」と言われ移動。ちなみにここまでずっとカフェオレを持ち続けている。「飲み物はこっち、荷物は下で!」とキビキビ看護師さんに指示されるがまま。ベッドはリクライニングがばっちり調節されてしかも目の前にテレビ。頭の所にスピーカーがあるタイプなのでちょっと看護師さんの指示が聞こえづらい。

足の運動と手を延々握っとれ、TVはリモコンで自由に見ろ、頭を枕にくっつけろ等々指示されつつ、採血開始。「針が太いので怖かったら見ないでください」と言われて笑顔で目を反らす。だって怖いもん。針が刺さった瞬間、たしかに普通の採血よりいてえ~!「しびれや痛みなどなにかありましたら我慢しないですぐ言ってください!我慢しないで!」と念押しされる。その後テープで固定されて放置。10分くらい?朝ドラ再放送を見る。スマホいじろうかと思ったけど左手で動かすのめんどくさくて朝ドラを見て終わった。

針が抜かれたあとも看護師さんに「めまいないですか!?」「しびれないですか!?」「ゆっくり立ち上がりましょう!」「水分とって!」等などいろんなことを言われる。さっきからずっと思ったけど、看護師さんも言わなきゃいけないこといっぱいあって大変ですね…。しかも全員、善意でここに来てる訳だから愛想良くしないといけないしね。大変。

何かしらのバインダーを受付に返して、休憩してから帰るよう言われる。「記念品どうぞ!」と言われて見せられたのが地元のお菓子・歯磨き粉・ウェットテッシュ。単価からみて歯磨き粉一択。その後はほうじ茶、梅昆布茶、コーヒー、ハーゲンダッツをいただきながら諸々のパンフレット等をぼげーっと読む。一応30分位休憩をしてから、退室。特にめまい等はなかったけど、こう…胸のあたりがもやっとする感じはあったが、休んでいたら気にならなくなったので、その後買い物をしてから帰宅した。

その後

献血後に買い物をしている時「フフフ…私は午前中に善行を成し遂げましたがみなさんはいかがかしら?」「は~い通りま~す!さっき200ml献血を行った私が通りま~す!!!!」というある種のスター状態になった。

圧倒的な「善行をした」感。私はこの世の中にいていい・世の中に必要とされている感。無駄な休日を過ごしていない感。

しかも、看護師さんの優しいこと優しいこと。優しくされる機会がそこまでないのでうれぴ~!ありがと~!!!!!

これが精神衛生上めちゃめちゃ良い。最近の学びとして、「paypay等の各種キャンペーンのお得感を感じることで精神衛生がやや保たれる」というのがあるのだけれど、それに続く学びである。

しかも献血ルームは、かなりリラックスできる。まず、献血ルームは老若男女がいる訳だけれど、こんな休日午前にわざわざ献血に来ている時点でこの人達が善人でないはずがない。善人だけの空間。リラックス出来るでしょ。

そして飲み物飲み放題、お菓子食べ放題(アルフォートが食べ放題はヤバイ)、ハーゲンダッツ1個無料。献血終わったら御役御免でさっさと出ていけ、ではなく、きちんと休憩してから帰ってね!という、公式な許可。(?)

最高。もうここでずっとぼけっとしてたい。世界が終わるまで。そう思わざるを得ない。

 

…ということで、献血、めちゃめちゃいいぞ。検査結果も楽しみ。